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心のままに・・「き・ろ・く」

心のままに・・「き・ろ・く」

(2008.7~10)


r,book 読書感想r,book

前のブログに載せていたものもここにも「き・ろ・く・」

「読書感想」はあくまでも私自身が
感じたこと、「つぶやき」です
テーマ読み込みも的を得ていないだろうけれど
その時に感じたことを忘れないうちに
「き・ろ・く」


【2008.7~10】


「親ができるのはほんのすこしのことばかりのこと」山田太一


7.6
もう、十年以上も前に書かれていたものです
だいぶ前に読んで書棚の奥にはいっていたもの・・
今回処分するにあたってもう一度読んでみました


子どもは言葉よりも深いものを読み取る

親の存在そのものが子どもには影響を与えるということ

「親ができること」をさぐりさぐりなんとか一緒に生きていく

親の影響の大半は意識的な「子育て」によるものではなく
「親の存在」そのものが子ども与えてしまう影響、それが教育
言葉は浅い部分の影響しか与えない


帯には「心が軽くなる親子論」なんて書かれていましたが
親子に限らずすべての人間関係についても
ちょっとホッとさせるヒントのある本でした

子育ての本、「なにか心に響く言葉」がないかと
けっこう読みました
相変わらず、ニュースで耳にしたり新聞で目にする少年犯罪
親子関係のみならず、周囲の人間関係
地域との関わり・・見直さないといけないですね

その子の個性を尊重し見守りながら
しっかりと導くことも大事
だんだん手もかからなくなり
口も出さなくなりつつも
心は離さず見守っていかなくてはと思います



「流星の絆」東野圭吾

7.6
とっても良かったです
ブログ友達の感想もよかったので
楽しみにしていましたが
期待通り・・以外なストーリ展開と最後に涙がじわ~

少し前に読んだ「ダイイング・アイ」や 「夜明けの街で」よりも
ずっとずっと良かったですね

与えられた環境のなかでのそれぞれの受け止め方
考え方、生き方・・ほんとうに様々

本の帯には「この小説は私が書いたのではない。
登場人物たちが作り出したのだ」
東野圭吾

・・・となっていましたがこんなストーリーを
書ける東野さん、やっぱり大好きだわ~
内容は書きませんが意外な展開に驚かされます

東野作品40作以上読んでますがこの作品
「私の好きな東野作品ベスト5」にはいるかも・・

ちなみに出会いの作品は
夫の勧めで読んだ「天空の蜂」これは一番かしら
後は「さまよう刃」「使命と魂のリミット」
直木賞受賞作「容疑者Xの献身」「幻夜」
「十字屋敷のピエロ」・・・かしら
(昔に読んだのははっきりおぼえていないものありますが)


そうそう、ストーリーのなかで刑事役の偽名を
「smapの草薙、加賀まりこの加賀」と説明してます
どこかで聞いたことのある名前?
東野さんファンはすぐに分かりますね~

こういうストーリーでもさりげなくでてくる
東野さんのお茶目なところ?がいいですね~

あと、登場人物でとても魅力的な人が・・
あんな人がいたら心が揺れるわね~

「証し」矢口敦子

7.7
初めて読む作家さんです
「償い」のほうが有名のようですが
私はこちらから読むことにしました

この作品2002年に出版された「VS」の改題?
どうして「証し」なのか・・
「VS」の意味・・なるほど・・です

ミステリーとしては途中までとてもおもしろく感じ
「これがどう繋がるんだろう」
・・なんて楽しみに読み進めたのですが
私はこの作品の読後感、とても複雑です

テーマも重い、登場人物と共有できる気持が少ない

でも切なくもあり・・
作者が伝えたかったことが私にはわからなかったような・・

どなたかの感想ぜひ聞いてみたいです

2003年に出版されているのに最近
話題になっている「償い」は読んでみたいと思っています

「我れらが隣人の犯罪」宮部みゆき

7.8
久しぶりのお気に入り作家さん、宮部作品です
宮部作品時代もの以外は
ほとんど読んでいると思っていたらまだ数冊ありました

1990年に出版された作品で5作の短編集です
一つは「どこかで読んだような・・」
そうそう、この本に納められているものです
「スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001」東野圭吾 選
それと前回読んだ矢口作品「証し」とテーマが重なる作品が・・

それにしても宮部さん、ミステリーもテーマが重いものも
さらっと読めるコミカルなものにしても
東野さん同様楽しませてくれますね

あ、違うところといえば、東野さんは時代物書きませんね・・・
どちらも大好きな作家さん


[「ザ・チーム」井上夢人」

7.17
久しぶりの井上作品です

「岡嶋二人」
(徳山淳一さん、井上泉さんコンビでの執筆のペンネーム)としての活動後

コンビ解消、「井上夢人」のペンネーム
すっかり気に入って岡嶋作品、井上作品結構読みました

古い作品が多いのですがコンピューター知識についてはびっくり
・・って今読んでも私には
ちんぷんかんぷんなこともたくさんなんですが・・

ミステリーたっぷり、楽しいものも・・
そうそう、ホラーのようなものも・・

私は未読ですが
「焦茶色のパステル」江戸川乱歩賞も受賞しています
(これは読まなくちゃね~)

さてこの作品、まさに「チーム」
やっていることは犯罪だけれど人助け・・

読後感はすっきり~あっというまに読めました



「百舌が叫ぶ夜」逢坂 剛

7.14
直木賞受賞作家さんとしてお名前を知っていただけで
私は読んだことがなくブログのお友達のところで
紹介されていて読んでみることに

タイトルからしてちょっとこわそう・・
執筆に3年半かかったというこの作品
ストーリー展開におどろかされました

これは時間がある人におすすめです
なぜなら面白くて途中でとまらない・・

途中でとめると登場人物も警察内部の
複雑な上下関係、その他の人間関係・・・

しかも時世の流れたいったりきたりでこんがらがっちゃいます
・・っと思うのは私だけかしら~

でもね、想像すると鳥肌がたつようなシーンがかなり多くて
こわかったですよ~
警察内部、裏の組織・・私の知らない社会を垣間見れて
なかなかおもしろかったです

「幻の翼」逢坂 剛

7.17
「よみがえる百舌」と思ったら
なんとすぐ後がこの作品「幻の翼」

事件が終わり社会に犯罪が明らかに
ならないまま捜査は打ち切られた
・・いうところから始まるストーリー

もう夢中であっという間に読みました

ハラハラドキドキ・・とってもおもしろかったです

前作、この作品といいミステリーにつきものの殺人
ちょっと多いかな~

社会の暗い、裏の部分が書かれていて
ちょっといやな気持にもなったところもありますね・・

それと驚いたことに今もなお問題になっている「拉致問題」
リアルに描かれていること
興味深く読みました・・
今回で刑事を辞めたとても素敵な人物がいます
この人がこれからどう関わってくるのかも興味津々
(多分登場するでしょう、いなくてはいけない需要なキャラクター)
逢坂作品このシリーズは全部読みたいと思います


砕かれた鍵・.jpg「砕かれた鍵」逢坂 剛

7.21
今回も逢坂作品、あっという間に読みました
ハラハラ、ドキドキ・・

そしてちょっと複雑な人間関係、警察組織に
「あれ?」と立ち止まりながら・・

(え?この人どんな立場の人だったかしら?・・なんてね

この作品もストーリー展開に驚くばかりです
どうしてこんな作品がかけるのでしょうね・・

クライマックスでは手に汗にぎり?
(本を滑らせながら?)読みました
それにしても意外なラスト・・・う~ん・・・



「よみがえる百舌」逢坂剛

7.24
初めて読む本が気に入ると
続けて数冊読まなければ気がすまない私
シリーズものとあって一応「公安シリーズ」は読もうと・・

この作品もあっという間に読めました

死んだはずの「百舌」の復活、興味ワクワク・・
なるほど~
でも今回は途中で「百舌」の正体が予想できたこと、
あれだけの戦いでこの結末?という感じも少々

でもやはりハラハラドキドキ楽しめました

女性刑事と私のお気に入りの探偵さんの
ユーモアとテンポのいい会話も楽しめますね

お気に入りの作家さんが増えました

「感染」仙川環

8.3
メディカルミステリーにはよくある
「感染」「臓器移植、売買」がテーマ

「異種移植」
「小児臓器移植」
・・・これにはちょっと考えさせられるものが・・

ストーリー展開も犯人も予想できてしまうところが
少々物足りない感じもしましたが
読後感はほっとさせられるものがありました

医学ジャーナリストとしての作者が
「新聞社で働く友人」というキャラクターで
存在感がかなりでていたりストーリーの重要な部分を
占めているような・・
そんな感じもしました



「聖ジェームス病院」久間十義

8.4
5月に読んだ「生命徴候あり」よりも
前に書かれた医療ものなのですが感想はほぼ一緒

研修医を取り巻く環境、医療ミス、感染
治験、製薬会社との癒着、株
・・それに伴う医師たちの考え方、対応と
テーマも盛りだくさん

考えさせられることも多いのですが
長編のうえ、テーマが多すぎてどれもが中途半端なような・・
なんとなくダラダラと・・

途中寄り道もしてしまいました
(仙川作品「感染」こちらは1日で)

・・といっても読後感が悪いわけでないのです

あえていうならば中心人物の研修医が
これからもっと困難な医療の局面に
どう立ち向かっていくかなんていう
続編が書かれたらそれに期待したいかな・・・と。


「時の渚」笹本稜平

8.6
サントリーミステリー大賞、読者賞、ダブル受賞作
前から気になっていた初めての作家さんです


ミステリーでこんなに涙を流してしまったのは久しぶりです
私の好きな東野さん、宮部さん、高嶋さんも
けっこう「じわ~」「ポロリ」ですが・・

でもこのラスト・・・昨日美容院で読まなくて良かった・・

深夜一人で読み終えてしばらく涙がとまりませんでした

運命を受け入れて生きる以外に真実は存在しない・・
その真実の上にしか生きる希望も
喜びも生まれてこいなから
人を救うのは人それ自身の心だ


これがテーマかなと私は思うのですが・・

ミステリーとしてのおもしろさ、あちこちにさりげなく
クローズアップされているものに
あれこれと思いをめぐらせながらも
あのようなストーリー展開になるとは・・・

それにしても主人公をとりまく人物描写がいいですね
どの人も存在感のあるとても心温まる人ばかり・・
これがまたストーリー展開にうまく絡み合って
どんどん惹かれていくのでしょうね

このような作品私は好きです

「今年の私ベスト3」にノミネート


「そうか、もう君はいないのか」城山三郎

8.7
私はこの作家さんの作品を読んだことがありません
(直木賞受賞作家さんとしてしか知りません)
夫いわく「経済小説だからあなたは読まないでしょう・・・」と

夫が欠かさず観ている「週間ブックレビュー」
とりあげられていて読んでみたくなりました
(確かおススメしていたのは高見恭子さん?)

作者が「天から降りてきた妖精」と形容した奥様との
出会いから亡くなるまで過ごした日々を書いたものです

作者も奥様が亡くなられた7年後の昨年
亡くなられているのですが
次女さんが書かれた
「父が遺してくれたものーー最後の黄金の日日」
・・・これには涙、涙でした


奥様への愛情がタップリ感じられ
淡々と楽しくといえるような感じで綴られている本編よりも
こちらのほうが私は感動しました

今は「そうか、もう君はいないのか」とつぶやくことなく
天国でお二人仲良くされているのでしょうね・・・


「ひかりの剣」海堂尊


8.12
今回も期待を裏切らずあっという間に読めるおもしろさ

時期はこの頃・・「ブラック・ペアン」

「ジェネラル・・」速水医師、
「ジーン・ワルツ」に登場する清川医師が
学生時代の剣道部でのお話

もちろん他の海堂作品のように
あちこちに知ってる名が・・

のちに「愚痴外来」、「がんがんトンネルの魔人」
そして世良先生や渡海先生・・

そしてこのお話を盛り上げているのが

のちの「たぬき親父」こと高階先生
と~ってもいい味だしてます

他の海堂作品を読んだ人ならニタニタしながら
読んでしまうことでしょう

読後感はとってもさわやか

しいて言えば私自身もっと
「武道」とか「剣道」について
知っていたとしたら
一層楽しめただろうということでした



「許さざる者」笹本稜平

8.14
前回読んだ笹本作品「時の渚」と似た感じでした
でも涙は「じわ~」でしたけど・・

「時の渚」ははじめての読む作家さんの作品として
またミステリーのおもしろさとしても
とてもインパクトのあるものでした

この作品も私が感じた「テーマ」も同じ
中心人物を取り巻く数人の温かさ・・これも同じ
探偵が弁護士に、戸籍問題、人物のいれかわり・・

・・とダブってしまう面があった分
続けて読む本として選んだのはミスだったかと・・・


「子盗り」海月ルイ

8.16
サントリーミステリー大賞、読者賞,ダブル受賞のこの作品

初めて読む作家さん

一日で読んだからといって・・
私としては「おもしろかった」とか
「読んでよかった」という感じはなく・・

どちらかといえばあまり読みたくなかった部類
読後感がよくありませんでした
女性だからそこまで描けるの?
女性だからこそそこまで描かなくちゃいけないの?
・・・という感じ

ただ結末だけはどうしても知りたくて
まあ最後は何とか気分も持ち直して読み終えましたが・・
選考委員が浅田氏、逢坂氏、北村氏、
篠田氏、藤原氏の5人ですよ~

でも「これってミステリー?」でした・・・

「サントリーミステリー大賞、読者賞、ダブル受賞作」とあって
最近読んだ「時の渚」位に期待してしまったのがいけなかったかな~



「虚無」薬丸岳

8.19
タイトルの「虚無<」
事実にあわぬ夢
実際には起こらないことの夢

作者がなぜこのタイトルをつけたのか・・
読み終えてから考えてみました

「夢」であってほしい・・
「夢」でなくてはいけない・・

日々ニュース番組や新聞を賑あわせている数々の事件に
関わることでいつも考えさせられることがテーマです

「総合失調症」という言葉も知らなかった私は
登場人物のいろいろな立場から考えてみました

江戸川乱歩賞受賞作の少年犯罪をテーマにした
「天使のナイフ」にしても
身近で起きていても自分や
自分の周りにかかわりがないと
耳をふさいでしまったり目を背けてしまいがちなこと
しっかり考えさせてくれる作家さんだと思います

中心人物の「この社会の中に、人の目に触れることもなく、
社会で議論されることもなく、闇の中に葬られていく事件や
被害者の悲しみがいったいどれだけあるのでしょうか」
・・・この言葉に胸が詰まりました

テーマは重く読後感もずっしりきましたが
読んでよかった本です



「闇の底」薬丸岳

8.26
「天使のナイフ」、「虚無」を読んでこの作品

読み始めて外出や通院日があったり
続けて読めませんでした

それとも先日までの暑さでとうとう脳が溶けたのか・・・
そのせいか読み終わってちょっとすっきりしない部分が・・

薬丸作品、かなりミステリーで複雑なところもあり
ましてテーマとしているところもずっしりくるので
一気に読むほうがよさそうです

最初の一冊で薬丸ファンになった
私としてはこのままでは
・・・と思い今日一気に読み返しました
う~ん、かなり納得・・

確かに先に読んだ作品と同様
謎の部分はありましたがそのいい意味での曖昧さが
読者に問いかけている部分なのかと判断します

それにしてもこの3作品テーマは重いけれど

「心の闇」
自分で気がついている、いない、肯定したくない・・
そんな様々な葛藤の中で
人は絶えず悩み続けていくんでしょうね

それにしても薬丸さん、様々な人物描写の鋭いこと
東野ファンでもある私、
東野さんのシビアな作品と似たところがあるような気がしました
次の作品はまた数年後なのでしょうかね
でもとっても楽しみです


「CURE」田口ランディ

8.27
初めて読む作家さんです
なぜこの作品を選んだかというと
内容が「医療」に関するものだったから

「CURE」
医者(薬)が病人、病気を治療する(治す)の意味


最初は私の読みたいタイプの本ではないかしら?
・・・と思ったのですが
あっという間に読めました

(これはミステリーではないので
何時も書かない内容も少しだけ・・・)

相手の心を読み取ったり波動を感じたりと
特殊な能力を持つ外科医が
(そのパワーを治療に使ったことも原因の一つ?)
自ら癌に侵され

「医師」と「患者」と両方の立場から
あらためて現代の医療、生について、
死について考えていくストーリーです

とても印象に残ったこと・・

現代の医学では200gの未熟児も助かるとのこと
(この本の中では・・・ですが。
私が知る上では300g台だったけれど)

当然ながら重い障害と短命をいう荷物を
背負って生かされる確率も高いです

主人公が車にはねられて死にそうな苦しそうな猫を
川に投げ友人にびっくりされる場面があります
私もそれを読んで鳥肌、胸が詰まりました

苦しむ時間を少なくそして自然に帰してあげようとのこと
単に「助ける」「延命」というのが
必ずしもベストといえるのか・・
なんて考えてしまいました

医師と患者の立場の「助け」の意味・・
ところどころにその問いかけがあります

この本の中で本人だけでなく様々な「死」が
あるのですが
自分の最期、大切な人の最期
ちょっと考えてしまいました

この本もまたテーマは重いのですが
読んでよかった本です



「ジェミニの方舟」 高嶋哲夫

9.4
好きな作家さんの新刊です
2006年に新聞に掲載されたものを加執したものだそうです

ちょうど先日の集中豪雨の時
テレビのニュースで被害状況などを
見たり聞いたりしながら読んでいたこともあって
とても身近で恐さを感じました

この作家さん、理系卒で原発のお仕事をされて
その後その時の自然現象、社会問題について
いろいろなテーマで書かれています

内容的にシュミレーション、データ、専門用語も
たくさんでてきて難しい感じがするのですが
なぜかとても読みやすい

そして高嶋作品の一番気に入っているところは人物描写
登場人物のインパクトがあるとはいえないけれど

「静かな(穏やかな)愛」
・・・それがどの作品にも感じられます

ですからストーリーがシリアスなものだったり
ハラハラドキドキされられるものでも
読後感は温かい気持になれます



「治験」仙川環

9.23
「感染」の次に読んだ仙川作品です

このところ「カロリーチェック」なんて加わり
なかなか読書が捗らず・・・返却ギリギリセーフ

「治験」・・医療ものによくあるストーリーと思いきや
薬の効果、副作用を遺伝子を調べることにより
投薬するという「テーラーメード医療」

遺伝子研究が本来人類の健康のためになされるべきが
兵器として使用とするための争い

「グランド・ゼロ」で佇む
事件のキーパーソンとなる友人
ストーリーにちょっと盛り上がりが
なかったような感じはしたものの

主人公のキャラクターがとてもおもしろく
医療のみならずテロなどの社会情勢を絡めた
テーマであるものの楽しく読めた一冊でした



「誤診」 米山公啓

9.26
読み始めて登場人物に魅力を感じないこと
医療機器や製薬会社と病院、教授との金銭問題
自分の子どもを母校に入れるための寄付金
それに加えてちょっと目にしたくない性的描写
(これはラストで必要だったことがわかったけれど)

なんだか医療の裏側のとてもいやなところばかりが
描かれていて途中で読むのをやめようかと・・
でも現役医師であるこの作家さん
ここまで描いて読者に伝えたいこと
ちゃんとあるはず

これは最後まで読んでみないとね

「医者には若い時の失敗、
経験を積んでから自信ができてからの失敗いろいろある
その失敗がありながらも医者という職業が患者から
感謝され今も存在するのは
患者が医者を許してきたから・・・

医学は多くの患者の犠牲の上に成り立っている
それがなければ医学の進歩はありえない

医者の絶え間ない努力,
そして信頼感を得るために治療や
診断のすべてを患者に説明して
隠さないことが前提・・・」


(ストーリーの中の言葉をまとめたものです)


著者もあとがきで

「医学は多くの失敗を繰り返しながら進歩してきたことを
素直に認めなくては医学も医療制度も変わらない」


「誤診」「許す」・・・

これが自分や大切なひとの命に関わることとして
考えたらどうでしょう・・

14年前に父を亡くしたときに
家族で話したことがふと頭をよぎりました
(今の私だったらもう少し納得のいく
受け止め方ができたかも・・)

ちょっと複雑な想いがあってあえて「おススメの一冊」には
しませんが読んでよかった本です





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